ワーキングメモリを鍛える その1
行動や学習で重要になってくるものにワーキングメモリがあります。
前に書いたブログの再掲ですが、
ワーキングメモリについてです。
学習指導をするときに理解しておいたほうがいいのが・・・
「ワーキングメモリ」
ワーキングメモリは、
作業や動作に必要な情報を一時的に記憶、処理する能力です。
「ワーキングメモリ=脳の黒板」
例えば・・・
8+4=
瞬時に答えが出たと思います。
これは長期記憶で8+4=12と覚えていたから。
しかし・・・
2+3+3+4=
基本的には・・・
2+3=5
5+3=8
8+4=12
と計算をすると思います。
または・・・
2+3+3+4を記憶して、
3+3=6
6+4=10
10+2=12
としたかもしれません。
これが、ワーキングメモリなのです。
ワーキングメモリを理解する上で、
非常に重要なのが・・・
ワーキングメモリの基本的な働きは・・・
「目的を覚えておく」こと。
言い換えれば、
「いらない情報を削除すること」
例えば・・・
朝
持ち物を準備する←ワーキングメモリ
↓
準備をする物の目的がわかっていない。
例えば、筆箱の目的がわかっていないから、
えんぴつが入っていなくても平気。
えんぴつが削られていなくても気にしない。
消しゴムが入っていなくても、問題ない。
それは・・・
「板書をノートに写すために筆箱の中を整える」という目的が理解されていないから。
一般的には・・・
準備もできなく、だらだらとしていると、怒られますよね。
(うちでは怒りませんが・・・)
そうすると・・・
イライラや気持ちの不安定さがワーキングメモリの働きを妨げるのです。
となると・・・
学校に行ってもワーキングメモリが働かない。
ゆえに・・・
何をしていいかわからない状態が続く。。。
学校で・・・
学校ではワーキングメモリを使う場面は多いですよね〜。
「先生の言うことを聞き行動をする」
例えば、国語の授業で・・・
「教科書の38ページを開いて、
会話の部分を隣の人どちらが先生役か生徒役か決めて、
会話が終わるところまで音読してください。
では、始め!」
ワーキングメモリが弱いと何をしていいかわからない。。。
隣の子には「何をしているの?」と言われ、
また混乱。。。
「板書をノートに写す」
頭の中に書くことを覚えていられないので、
1字1字書き写す。
意味も入ってこないし、
書いている間に消されてしまう。。。
「友達との会話」
友達が話していることが記憶できないため、
自分勝手なこと(流れが違うこと)を話し出してしまう。
日常生活の中でワーキングメモリを使う場面は多いですね。
もう少し「ワーキングメモリ」を理解してみましょう。
ワーキングメモリは4つの領域に分かれます。
大きく分けると・・・
言語領域(左脳)と視空間領域(右脳)
1 言語的短期記憶・・・言葉や数などの音声情報を覚えておく
これが弱いと・・・
教師の指示をすぐに忘れるなど。
2 言語性ワーキングメモリ・・・音声情報を処理しながら保持する
これが弱いと・・・
作文や日記を書くのが苦手など。
3 視空間的短期記憶・・・形や位置などの視空間情報を覚えておく
これが弱いと・・・
黒板の文字をノートに書き写すのが遅いなど。
4 視空間ワーキングメモリ・・・視空間情報を処理しながら保持する
これが弱いと・・・
図形問題が苦手など。
ワーキングメモリをチェックするには・・・
WISCを受ければ、具体的な数字として出てきます。
その他、
AWMAをすれば、上記の4領域の検査ができます。
ワーキングメモリが弱いと色々な困りごとが出てくるのがわかります。
ワーキングメモリが弱くても大丈夫です。
ワーキングメモリは、鍛えると、改善されていくのです。
ワーキングメモリの鍛え方は次のブログで。